メリハリといえば思い浮かべるのが限定解除の一発試験。
今やハーレーからの圧力で教習所で大型二輪免許を取得できるようになったが、当時は金曜日に免許センターへ出向き一発試験を受験しなきゃならなかった。受験前にまずは事前講習なるものを受けておく必要があった。その事前講習とは大型バイクの取り回しができるかどうか。タンクに砂を詰めて重くしてあるとの噂があったCB750fourのセンタースタンド掛け、転倒状態からの引き起こし、八の字を押してまわるの3項目をクリアする必要があった。この事前講習でさえ1回でクリアできない人がたまにいたそうだが、本番の一発試験の合格平均受験回数はその時何と16回か19回だった。月に4回しかないので、真面目に通っても5ヶ月位はかかる計算。郡部からの受験者は朝早い受験開始のため、免許センター近くに前泊している人もいたほど。
行きつけのバイク屋仲間3人で挑んだ一発試験。乗車までの待機時間のヘルメットの持ち方も小脇にかかえるといった一発試験仕様。ヘルメットのアゴ部分を握って腕を下げていようものなら減点。姿勢や態度すべてにおいてマイナス要素があれば減点されるとの噂で受験者はしっかり守っていた。
当時はアメリカンに乗っていたため、一本橋のバランスやスラロームなどの練習のために、後輩からTZR後方排気を借りて夜中駐車場で練習したりしたのを思い出す。
受験者は自分の番が来ると当時の試験車FZX750に乗車し走行するわけだが、発進するまでに減点が基準を超え試験中止される人もいたような記憶がある。
試験自体は各セクションを規定の時間以内か規定の時間以上で通過、停止するというもの。ただ、試験官のいる試験塔の下の直線を通過する際にはどこを通ってもいいわけでなく、道幅の左何分の1の所を通過しないとそれも減点されるという噂もあった。
自分の苦手は一本橋。今では全く問題ないが当時は10秒以上が長く感じた。
受験後は合格発表までひたすら待機。その間、前の週までに合格した人が買ったばかりのリッターバイクを見せにやってくる場面もあった。
発表時間が近づくと、受験者控室とは別室の合格者発表の電光掲示板がある部屋へみな移動。時間が来たら横長の電光掲示板の右端から合格者の受験番号が左へと流れていく。
毎回受験者は20人くらいはいたような記憶があるが、掲示板に流れる受験番号は3つほど。ほとんどの受験者はため息をついてリベンジを試みる。しかし、中には20回を超えて受験し続けている人でついには諦める人もいたほど。それくらい、限定解除は高嶺の花であった。もちろん逆の話もあり、一発試験を1回で合格したという伝説的な話も話題に出ていた。
自分が受験していた頃はコース使用料と受験料で1回2,500円。一緒に行っていた女の子は2回目の受験時、急制動で大転倒するも、何とわずか4回で卒業してしまう。残された男2人は非常に悔しい思いをしたのを覚えている。が、何とか自分も早い方で6回で無事卒業できた。この時の感動は今でも忘れない。掲示板に自分の受験番号が流れてきた瞬間、立ち上がって叫んでしまった。後にも先にも人前で大声出して叫んだのはこの時だけ。
で、これが当時の免許証の裏面。
限定解除の思い出話になったが、この一発試験でも通常の走行中もそうだが、コーナリングやブレーキングはアクセルワークや体重移動など「メリハリ」が大事。 開けるところは開ける、緩めるところは緩める。仕事においてもダラダラやるのではなく、そういったメリハリが大事だと感じる今日この頃。
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